臨済宗開祖の臨済慧照禅師に「且坐喫茶(さざきっさ)」という禅語がございます。「まあ、座ってお茶でもお喫みなさい。」という意味だそうです。まさにお茶に対する講師の想いを表す言葉で、この禅語から、拙宅小間を「且庵(さあん)」と命名いたしました。

 この茶室は、大徳寺聚光院の枡床席を移した四畳向切の茶室です。杉、檜、桜… 様々な材を使った柱や天井、障子から入る柔らかい日の光… 小間の炉の炭火の美しさは、例えようもありません。暗くなれば小灯を使って、和蝋燭の明かりで幻想的な雰囲気の中、お稽古することもございます。腰掛や蹲、枝折戸等を備えた露地を通ってにじり口から席入りする。そんな正式な形で、茶事のお稽古をしています。

普段のお稽古は、表千家家元稽古場(松風楼)と同じ八畳の茶室でいたします。家元稽古場に付随するものと同じ正式な水屋も備えており、表千家茶道を基本からきちんと学ぶことができます。もちろん炭を使っていますので、カルチャーセンター等ではできない炭点前のお稽古もいたします。

小学生以上を対象とした子供教室や、未就学児から親子で茶道を楽しむ親子教室。また、茶道をより楽しむための着物の着付も、且庵で学ぶことができます。基本のお稽古から茶事まで、「且庵」は、表千家茶道を広く、深く、そして永く楽しみつつ、学んでいただける教室です。

 

お客様をおもてなしする心。それこそが茶の湯の根本だと思います。講師として点前や作法の指導をする立場ではありますが、社中の皆さんを客としてお迎えする気持ちで、毎回、稽古の始まる前には玄関に打ち水をしてお待ちしています。

茶室では時候の掛軸や花、いろいろな棚や道具を準備して、毎月のお稽古を通じて季節を豊かに感じていただければと思っています。

お菓子も楽しみの一つです。季節にふさわしい主菓子をご用意し、干菓子も社中の皆さんの旅のお土産や、地方の銘菓の取り寄せなどもしながら、その地方の話題で盛り上がるのもまた、お茶のお稽古ならではの楽しみです。

ただ薄茶、濃茶と点前が進むだけではなく、最終的には茶事の亭主として、お一人お一人が客をもてなすことができるように、という思いで指導しております。そのため私自身、表千家家元の台所である柿伝に永年師事し、そこで学んだ茶懐石を実習という形で皆さんにお伝えし、実際の茶事の流れをお稽古しています。社中の方が亭主として催された茶事にお招きいただいたこともあり、講師冥利に尽きるという思いでございました。

点前の稽古に加え、茶室や露地、お茶の歴史についても少しずつ学ぶ機会を作り、また、様々な茶会への参加や、お香の体験、美術館で茶道具を見る勉強等、いろいろな行事も企画しつつ、お茶の世界を広げていっております。

正式な形で茶室や露地の設備が整っていること、そして、私のお茶に対する思いに共感していただき、一緒に楽しくお茶の世界を学び、広げていきたいと思われる方が、ご遠方から、あるいは稽古場を変わられて来られています。

まずはぜひ一度見学にお越しいただき、雰囲気を味わっていただきたいと思います。ご連絡、お待ちしております。

 

且庵(さあん)
松山志乃
表千家茶道教授 表千家同門会奈良県支部役員、青年部役員を歴任
奈良佐保短期大学附属生駒幼稚園 茶道講師
旭屋カルチャーセンター茶道講座講師
(着物着付け)全日本着装コンサルタント協会認定高等師範
JEUGIAカルチャーセンターイオンモール高の原 はじめての着付教室 講師
(茶室)茶室建築アドバイザー

住所 : 〒631-0002 奈良市東登美ヶ丘2丁目9-3-1
TEL : 0742-48-2219
MAIL : info@sa-an.jp